販売のための計画」カテゴリーアーカイブ

ワインの販売で、空間と販売コンセプトが繋がっていないとどうなるか?

さて、今回も続いて
1.ショップやコーナー、ブースなどの販売空間(=ハコ)
2.販売コンセプトやブランドコンセプト、ショップコンセプト

についてお話をします。
前回好きなワインを集めてから出来上がった売場に当てはめるのは、危険である。というお話をしました。

今日は、この1と2が繋がっていることが重要とは、どういうことなのか?を見て行きましょう。
今回は逆に繋がっていない例を挙げてみます。
以下のケースを想像してみてください。

熟成ワインや、プレミアムワインなどの高額ワイン「だけ」を扱うインショップ。
・場所は、建築資材専門の郊外型ホームセンターの入口付近の一角。
・照明は蛍光灯のみ。ワインセラーは場所の都合上導入できない。

ワインを扱う人にはモヤモヤする内容ですね。いわゆる突っ込みどころ満載というヤツです。

察するに、この売り場の場合

・オーナーがワイン好きである(高級ワインばかりを飲んでいる)。詳しくはない。

・ワイン販売にも明るくはない。

・「そうだ、あそこの売場が空いているよな。」

・入口だし、目立つだろう、目立てば売れるはず。

・でも売れるかわからないので、とりあえず設備投資はできないな。

・電源工事とかもとりあえずなしでやりたい。

・よし、でもやってみよう、やってから考えることが大事だ。

なんて感じだったんですかね。(あくまでもフィクションです)
早めの立て直しをおススメしたいところです。

まあ、これは極端な話ですが、1.と2.の繋がりを考えず、
「好きなワインを集めてから出来上がった売場に当てはめるのは、危険である。」
という事を少し理解していただけたかな?と思います。
ここまで極端ではなくても、このように、チグハグな印象をお客様に与えてしまうことは意外と多いです。

それでは、次回は、
1.ショップやコーナー、ブースなどの販売空間(=ハコ)
2.販売コンセプトやブランドコンセプト、ショップコンセプト

を繋げる事で、どのようにそれを回避できるか?を考えていきましょう。

ワイン販売の戦略を考えるときに、抑えておくべきVMD(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)的最初のポイント 

さて、前回は以下のVMD(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)に含まれる主な要素が、しっかりと繋がり、「販売活動が視覚化されていること」が重要であるというお話をしました。

『VMDに含まれる主な要素』

1.ショップやコーナー、ブースなどの販売空間(=ハコ)
2.販売コンセプトやブランドコンセプト、ショップコンセプト
3.品揃え
4.棚割と商品分類
5.商品展開と陳列
6.各ポイントの役割に合ったディスプレイ
7.販促

今回からは、これらが実際に何を指しているのかと、繋げるポイントについてお話していきたいと思います。

さて、今回からの各回は
1.ショップやコーナー、ブースなどの販売空間(=ハコ)
2.販売コンセプトやブランドコンセプト、ショップコンセプト

についてです。

この二つは、ショップや売場の「ブランディング」という点で一番初めに決める必要がある2つです。
また、リニューアルやリモデルなどを行う際にも重要になります。
まず、この2つがしっかりと考えられ、繋がっていなければならず、この2つはこの後に続く3.~7.の要素ではカバーできません。
いわば、戦略の土台となる部分といえます。

ワインショップや売場でよく見かけるのがここを飛び越して、「まずは自分の好きなワインを集めて、それからそれを売場に当てはめる」というパターンです。その気持ちもよーくわかるんです、好きなワインに囲まれる幸せってありますから。わかるんですけど・・。

売場造りでこれをやると、危険なんですよね。
例えば、よく知っている人だけに販売するならそれもありなんじゃない?と思うかもしれませんが、自身が「教祖的に絶大な支持基盤」をすでに持っている以外はまず幻想を捨てましょう。この基盤がある場合逆に、リアルな売場は無くてもいいですね。
体感ですが、最低100~300人ぐらいの支持基盤があれば大丈夫かなと思います。(事業規模によりますが。)

特に今後複数店舗展開を考えている場合はとても重要です。
ここの計画が後の自分を大きく助けるという事、先に言っておきますね。

次回に続きます。